前情報なしで観てはいけない。
レビューや解説をチェックしないと最後で「?」ってなる可能性
物語の舞台は、アイルランドに浮かぶ小さな島。島民全部が知り合いみたいな島です。
自他共に認める親友と知られていて、長年、毎日同じパブでビールを飲み交わすパードリックとコルム。
しかし、コルムは突然パードリックに絶交を告げる。
「これ以上関わるなら、自分で自分の指を切り落とす」と宣言します。
困惑するパードリック。
そりゃ、そうだ。 昨日まで、同じパブで同じビールを楽しく飲んでいたのに。今日、突然、そんなこと言われたって訳が分かりません。
「自分が何かをしたなら謝りたい。」と感じるのも当たり前だし、「まさか、指を切り落とすなんて冗談だろ?」と考えるのも当たり前。
当然、コルムに話しかけてしまいます。
そして、コルムは、本当に自分の指を切り落とす。バイオリン弾きなのに。
しかも、切り落とした指をパードリックの玄関に投げつけるほどの嫌がらせ。
そこまでして、パードリックを突き放す理由は、どんなものなのでしょうか。あなたが、今日突然、親友を心から嫌悪する理由を考えて下さい。
こうい映画って、最後の種明かしを楽しみに、予想して、覆されるのが楽しいと思うのですが…。
この「イニシェリン島の精霊」は、物語が終わってもなお絶交の理由は明かされません。正直、僕は、困惑したままで終わりました。マーティン・マクドナー監督もイギリスのガーディアン誌で「恋愛の別離を描いた」とは言うものの「この映画の真実は言わない。」とも断言しています。
だから、真実は分からないのです。
そんな映画です。
ぜひ、解説をチェックしてから観て下さい。その方が楽しめます。
下の岡田斗司夫さんの解説で出てきますが、この島は、「魔女の宅急便」でも出てきますよ!
有力な解説は町山智浩説と岡田斗司夫説
当時のアイルランドの内戦がメタファーであることは間違いなさそうですが、もっと深読みしないといけないようです。リンクの二人の解説チェックしてから、どっちかな?と見た方が絶対に映画が面白くなります。
先ず、町山智浩説。
同性愛をテーマにしている。
アイルランドは、カトリックで、「結婚しろ!」や「同性愛はダメ!」と強い圧力があるためです。ガーディアン誌でマーティン・マクドナー監督が「恋愛の別離を描いた」と発言しているので、かなり信憑性が高いと思います。
しかし、岡田斗司夫説が興味深い。
岡田斗司夫説。
観ていて誰もが気がついているけど、スルーしてしまう部分が、この映画の真相と解説しています。
確かにそれは、観ている最中にふとよぎったものでした。
岡田斗司夫さんは、パードリックが軽度知的障害者と解説しています。
映画中盤のコルムのセリフで「パードリック、お前は良いヤツだが、話が退屈なんだ」というセリフから分かるそうです。さらに、パードリックの妹にも「さっさとパブに行ってよ!兄さんがいると友達も呼べない!」というセリフもあります。
確かにですね、この島に知的障害の若者が一人いて、パードリックとのやり取りが何度となく繰り返されます。
確かに、自分に置き換えれば、「真剣な人生の悩みを知的障害者に相談しないよな。」と岡田斗司夫さんの解説に溜飲していくシーンでした。
「イニシェリン島の精霊」は絶対にこの2つの解説をチェックしてから観て下さい!
面白さが倍増します!!
僕が前情報をチェックしない理由
僕は、第一次大戦以降の近代史かグラインドムービーを中心になんでも観る人です。アイドルが出演している「モエカレはオレンジ色」なども結構楽しめました。映画の作り手は一生懸命だから、本当につまらない作品ってないのだと思います。合わないだけ。
昼はサラリーマンで、副業も頑張っているから、前情報は、映画館で観る予告編のみ。
それに、前情報なしで観る方が自分の想像力鍛えられるし、知らないからこそ楽しめると思っています。
ですから、この「イニシェリン島の精霊」も、当然、前情報なしで観ました。というか、岡田斗司夫さんの解説が「アカデミー賞間違いなし!」みたいなサムネイルだったので、チェックしてみたら、前半で「ネタバレします。」の宣言があって、慌てて動画を止めました。
今回は、それが、失敗だんたんだだよな。
難し過ぎた。
監督 マーティン・マクドナー
脚本 マーティン・マクドナー
出演者 コリン・ファレル / ブレンダン・グリーソン / ケリー・コンドン / バリー・コーガン / パット・ショート
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B8TCBMGT/
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