ん~。ナンダロ。そんなに緩急はないし、スピード感もないし、ハラハラドキドキもないんだけど、退屈もしなかった。それが、ショーン・ペン監督の腕なのかな。
お父さんはロクデナシ
とにかくお父さんのジョンはろくでなしです。
嘘つきだし。
しかも、現実が追い付かない夢ばかり見ている。
たとえば、スラックスのシワを伸ばすマシーンとか作って一発当てるみたいな。アイロンで十分間に合っているのに売れるわけがない。
お店を始めても上手くいかないとスグに投げ出す。
ただ、一緒にいると平和で楽しい人。
なんだか憎めない。
クラシックが好きとか上品な面もあるし。
でも、当然、経済力なんてない。
たまにいるよね。
責任感ゼロで、迷惑をかけても、嫌われない人。
そんなジョンにお母さんは見切りをつけて再婚します。
その再婚相手と折り合いの悪い娘・ジェニファーは家を出て、ろくでなしパパ・ジョンのところへ。
娘としてはさ…
いくら憎めないパパとはいえ、高校生のジェニファーが養えるわけないので、パパをせっついて、就職させようとします。
そのシーンが、やさしいのよね。
パパが社会不適合者で働くなんて無理ってどこかで分かっているからだと思う。
でも、ジョンは、嘘で乗り切ろうとする。
仕事に行くフリとかしちゃう。
で、結局、強盗しちゃう。
あっさり捕まるけど。
大好きなパパだけど、刑務所にいたら、頼れないし、応援も出来ない。自分でどうにかするしかなくなったジェニファーは、勉強し大学進学し、ジャーナリストとして社会人になる。
大好きなろくでなしのパパを見ているから、頑張ったんだと思う。
刑務所を出てきたパパは…
真面目に刑務を努めて、出所したパパ。
ちゃぁんとジェニファーに会いに来てくれる。
憎めない笑顔でした。
この憎めない笑顔は、ショーン・ペンならではだと思います
でも、「パパ、更生したゾ!まともな人間になったゾ!大丈夫だ!」と嘘をつくんだな。
子供の頃に行った湖の近くに家を買った!と嘘を吐く。
何も出来ないパパ。
何をやっても上手くいかないジョン。
それで、刑務所で覚えた印刷技術を使って偽札を作っちゃう。
アメリカ最大級の贋札事件を起こします。
警察に捕まるが、逃亡し、カーチェイスで追い詰められ、銃による自殺。
ジェニファーは、このシーンをダイナーのテレビで観ます。
原作は、ジェニファーが書いた「Flim-Flam Man: A True Family History」
アマゾンで原作本を探してみたらコレでした。
Google先生であらすじを翻訳してみたけど、映画以上にろくでもない人だったようです。銀行強盗、放火、詐欺などなど、かなりの犯罪歴です。
それでも、ジェニファーは、父を愛しいたのです。
フラッグ・デイ 父を思う日
監督 ショーン・ペン
脚本 ジェズ・バターワース
出演者 ディラン・ペン / ショーン・ペン / キャサリン・ウィニック / ジョシュ・ブローリン / エディ・マーサン / デイル・ディッキー / ジェームズ・ルッソ / ベイリー・ノーブル / ノーバート・レオ・バッツ
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