米国が最も恐れた男 その名は、カメジロー
僕らは、まあるい、少し楕円の球の形をしている地球に住んでいる。その地球は、ほとんどが、海水に覆われていて、僕らは海の中に住むことが出来ない。わずかな陸地に生息し、地域や地形、言語、習慣、宗教、思想などの違いから、国家というグループを形成していて、その国家間で利権や主張等を巡り、交渉をする。
そして、交渉が決裂すると戦争になる。
第二次世界大戦終戦までは、「武力により他国を占領する事」が当然のように行われていたように思う。現在も内紛や戦争に巻き込まれている人たちに心が痛むが、第二次世界大戦後は、武力による支配は落ち着き、現在の世界大戦は、ビジネスによる世界の支配と変貌を遂げつつある。「支配」の語感は良くないが、ビジネスによる競争は努力が実ったものが勝ち、努力すら許されない状況にいる方でなければ、健全とも考えられる。
が、中国は違う。
中国は、法による秩序の維持を無視する。フィリピンとの領土問題で、国連海洋条約に基づく仲裁裁判の判決に従わない。仲裁裁判所が、「そこはフィリピンの領土です。中国のものではないです」と判決しても、無視し、資材を持ち込み、滑走路を建設する。
なぜなら、南シナ海には、海底資源が豊富と言われ、海底までが深く、中国の潜水艦は、アメリカに気づかれずに侵攻しやすいからだ。
中国は、日本の隣国です。
沖縄は南シナ海にあります。
沖縄にアメリカ軍基地がなければ、中国は、第二次世界大戦後も戦争を始めたかもしれない。
だからといって、沖縄の犠牲は、必然ではありません。絶対に必要のないものです。
作品中の時代から現在も続く沖縄のアメリカ兵の犯罪は、本当に酷い。被害者が小学生の少女と聞けば、怒りが込み上げてくる。アメリカ軍が、犯罪者兵士を渡さないというのは本当に汚い。アメリカ軍が犯罪者を隠蔽し、守る限り、他国でアメリカ兵の犯罪者は減ることはないと思う。
アメリカ兵の一人ひとりが、倫理観を持って生きて欲しい。
僕は、アメリカ軍基地は、東京のど真ん中にあるべきと考えています。日本の経済にどのような影響があるか分かりませんが、都会の人の多さは、犯罪に抑止力を持つように思います。僕にアメリカ軍基地問題の正しい答えは出せません。沖縄県民は、安保や自衛をどのように考えて、現時点アジアでの抑止力となるアメリカ軍基地は、どこにあるべきと考えるのだろうと思います。
沖縄の方は、僕のこのレビューを読んで嫌な気持ちになったりするのかな。そうであれば、申し訳ないと感じるけど、「カメジロー」を観て、僕なりに真剣に考えて書きました。
女性の犠牲者、国家権力という側面で観るとスリービルボードと同じテーマを含みます。スリービルボードは映画で、アメリカの話しで、どこか遠くに感じていたけど、この「カメジロー」は、今僕が住んでいる日本の現在も続く事実です。感じ入り方が全く違いました。
ただただ沖縄県民は犠牲でしかないと感じました。
不適切かもしれないけど、映画としてのレビューです。ドキュメント映画としては、「カメジロー」は「不都合な真実2」に進行の見せ方が劣ります。制作の動機や所感をナレーション入れて、臨場感を強くする方法もあったのではないでしょうか。もちろん、「不都合2」のアル・ゴア氏は、現存の人で、映画になる事を想定して、カメラを回し、発言もしたりもするだろうけど。
日本の平和は、現在も続く沖縄の犠牲の上に成り立っていると言えます。それを学べる映画です。日本の平和に感謝するなら、観るべきで1本です。スリービルボードと合わせて観ると面白いかもしれません。
最後に。瀬長亀次郎さんの印象は、観る前と観た後では、まったく違います。前情報のヒゲの見てくれや表情から、怒れる指導者でしたが、作品を見終えると、カメジローは、真っ直ぐに生きる爽やかな青年という印象に変わりました。
この映画を作った皆様へ
ありがとうございました。
心から感謝いたします。
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