ふすまじゃなくてドア、ナマズじゃなくてミミズ「すずめの戸締り」

Movie I Saw

 日本全国の廃墟にある「後ろ戸」が開くとミミズが出てきて地震を起こす。その「後ろ戸」を閉じることが家業の宗像草太とその宗像草太に一目惚れしたJKの成長ラブストーリー。

「後ろ戸」って、マジでありそう

 ちゃんとした廃墟って行ったことはないけど、しばらく放置されている家とか、ビルとかって、なんか異次元に通ずる扉がありそうな感覚がするのって自分だけかな。人が寄り付かなくなって、ある程度の期間が過ぎると「人じゃない何か」が居つきそうな気がしてしまう。

 普段は、霊とか神とか信じていないけど、まだ、僕らの知らない自然の妖怪的な何か。
 子供の頃に廃墟じゃないけど、入居者のいないテナントビルがあってさ。忍び込んだ経験があるんだけど、ビルから出て、日常を目にした時って、スゴい安堵感を感じていたと思う。

 だから、この「すずめの戸締り」の「後ろ戸」って、本当にありそうな気がする。

 でもさ、あるなら「ドア」じゃないのよね。

 だってさ、戸締りする草太は宗像(むなかた)って苗字だし、その宗像性の「家業」なら、ドアじゃなくて、絶対に「ふすま」!劇中には、様々な神社要素も多くて、むちゃくちゃ古い日本古来の家業なら、確実にドアじゃなくてふすまです!

 物語が面白くなくなるくらい絵的にNGってのは分かるけどさ。

 かといって、ツマラナイ映画ではなく、ハズさない映画なので、ハズしたくない方はぜひオススメです。

「場所を鎮める」新海誠本から

 この本は、IMAXだけのサービスなのかな。
 もらえたので読みました。

 新海誠本には、「場所を鎮める」の他に「場所を悼む」って表現をしていたのだけど、僕は、「場所を鎮める」って表現が好きです。

 たとえば、地球が生き物で僕らみたいに意思があったら、体中にアスファルトを塗り固められたり、石油を採るためとはいえ穴を開けられたりしたら、嫌やなはず。人間が蚊に刺された時に掻いてしまうのと同じように地球も振る舞うと思う。

 だから、この「場所を鎮める」って表現がシックリ来るのです。
 物語的に詳細に観ていくと「主人公さん、それで、いいんかーい!」とは言いたくなるけど笑。

 「場所を鎮める」って、人間側のエゴなんだけど、ご飯を食べる前に「頂きます」と言ったり、神社で参拝したら、頭を下げるとか、なんとなく、日常的にやっているレベルで良いと思うので、地球の恩恵を受けているなって感じたら、それに対して、「ありがとう」って気持ちを大切にする。

 僕にとっては、それが、「場所を鎮める」。
 悪いことをしたわけじゃないけどね。

「行って、帰って来る物語」新海誠本から

  この本のなかには、新海誠さんの言葉がたくさん詰まっているんだけど、「行って、帰って来る物語」という言葉がありました。

 何か目的のために行かなきゃいけなくて、その目的を達成或いは失敗して、成長して戻って来るということだと思います。

 新海誠さんは、分かってて言っていると思うんだけど、これは、HJM(ヒーローズ・ジャーニー・マップ)を周到するということで、殆どの映画はこのHJMで作られています。作られていなくても、当てはまることが多いです。

 いつか、HJMは、解説しないとね。

「観客の何かを変えてしまう力が映画にあるのなら、美しいことや正しいことにその力を使いたい」新海誠本から

 岡田斗司夫さんは、このスタンスの新海誠さんを魔改造したと言っています。

 自分が感動したり、自分だけが観たいものを映像化するんじゃなくて、多くの人がが見たい物語を創るという意味です。それが、この「観客の何かを変えてしまう力が映画にあるのなら、美しいことや正しいことにその力を使いたい」って言葉に出ていますね!

 岡田斗司夫さんにはNGだったみたいだけど、映画が観るのが仕事ではない人にとっては、この新海誠さんのスタンスは有難いわけです。

 だって、ハズしたくないからね

 そして、これは、RADWIMPSの主題歌にも表れていて、聞いていて心地が良いと思うのです。
 インスタでもバズってたしね~♪

すずめの戸締り(2022)
IMAX
★★★★☆ 4.2
監督 新海誠
脚本 新海誠
原作 新海誠
主題歌/挿入歌 十明
出演者 原菜乃華 / 松村北斗 / 深津絵里 / 染谷将太 / 伊藤沙莉 / 花瀬琴音 / 花澤香菜 / 神木隆之介 / 松本白鸚(松本幸四郎)

※本編ではありません
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B8V3K412/ref=atv_dp_share_cu_r

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