美しくも、グロく、深い映画
テーマが好みでした。
そして、映像も音楽も美しいです。
日本映画風なカットも多いです。
難を言うと、寝所シーン前後のセリフて物語の殆どを語ってしまっていることくらいかな。先読み出来てしまう。進行上仕方がないセリフなんだけど。
あとは、スウェーデンの話だから海のシーンも欲しかった。ニシンのシーンがリアリティ増すハズです。
「愛玩動物と食用動物の違い」について考えた事がない人には観て欲しいですね。あと、多数意見を疑問を持たずに受け入れられる人たちにも考えて欲しいテーマです。
テーマをより深く考えてもらうための映像
この映画に出てくるコミュニティでは、決まった年齢になると自殺する風習があります。そのシーンでアメリカ人の1人が、「ここの人たちにとっては、自殺よりも老人ホームが残酷に見えるのだろう」と言います。
この映画のテーマを考え易くしてくれるセリフです。
他に「宗教や文化が単一で狭いコミュニティの人たち」をテーマにした作品としては、ヴィレッジ、犬鳴村、ホテルムンバイ、ヘレデタリーなどですが、このミッドサマーは、死体のシーンによりリアルに人の内面を感じさせてくれます。
グロいシーンが苦手な人はやめた方がいいとは思いますが、グロいシーンだからこそ向き合わなくてはいけないのだと思います。
世界中には、自殺だけでなく、人肉を食べたり、家族の遺体を鳥に食べさせたりの風習があります。日本にも、姥捨山(口減らし)、こけし(子消し)、土葬(死体を微生物のエサにする風習)、夜這いがあったのと同じです。
あとオウム真理教の事件も思い出しました。サティアンとか。
映像がショッキングでグロいですが、人類のグロさを表現していると思います。人間って誰しもグロいし、グロい歴史や裏付けのうえに生活が成り立っていることへの提言のような気がするわけです。
このグロさを自分事として捉えないといけないとも考えます。
タイトルについて
タイトルは失敗ですね。青春ムービーっぽ過ぎてタイトルで危うく見逃すところだった!僕なら、ありきたりでも、「Darkness of White night」にします。邦題は「白夜の闇」ね。
ミッドサマー
★★★★★ 星5.0
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