考えさせられる現実問題。「存在のない子供たち」

Movie I Saw

 妹は初潮がくると雑貨屋の主へ嫁に出された
 雑貨屋の主はすぐに妹を妊娠させた
 雑貨屋の主は妹を病院に診せず殺した
 僕は、雑貨屋の主を包丁で刺した

 僕は12才になった

 両親が家に帰って来なくなった
 僕は乳飲み子の弟を1人で育てた
 頑張ったけど、お金も食べ物もなかった
 僕は、弟を売りに出した

 涙が止まらない
 大人はクソだ
 僕のクソだ

 こんな物語ですが、現在の僕らの生きている世界の話です。日本から18時間くらいで行ける国で起きています。

出生届のない子供たち

 貧民街で出生届を出されずに生まれる子供たち、紛争による難民、そして、彼らをお金の為に販売する人たちを描いています。

 フィクションですが、少年の純粋な気持ちをセリフにしていて今起きている現実として深く刺さりました。

 このような事が起こる原因は、貧困と格差社会です。貧困と格差社会の原因は、民族、宗教、戦争、紛争などです。そして、貧困や格差社会は豊かな国を標的にしたテロの原因にもなり得ます。

 僕らが豊かに平和に暮らせるのは貧困な国で武器を必要とするからとも言えます。

万引きはするけど、施しは受けない。

 印象的だったのは、この少年は、万引きはするけど、他者からの施しを受けない生き方を貫いているところ。他者から何かを受け取る時は、自分がその人に返せる事がある時だけでした。決して、「ありがとう」とは言わないけど感謝を行動で示します。
 この少年の生き方も物語を面白くしている要因の1つです。

 自分がクソだと自覚出来た映画です。

存在のない子供たち
★★★★★
監督 ナディーン・ラバキー
脚本 ナディーン・ラバキー
出演者 ゼイン・アル・ハッジ / ヨルダノス・シフェラウ / ボルワティフ・トレジャー・バンコレ / Kawsar Al Haddad / Fadi Yousef

存在のない子供たち(字幕版)
わずか12歳で、裁判を起こしたゼイン。訴えた相手は、自分の両親だ。裁判長から、「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめて「僕を産んだ罪」と答えた。中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。朝から晩まで両親に劣悪な労働を強いら...

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